6月最終金曜、6月26日。月末のリバランス判定を行いました(評価額は前日・木曜25日の終値ベース)。
結論から書きます。今月はリバランス発動。半導体3倍のSOXLが、目標の20%から+14.1%も離れて34.1%まで膨らみ、判定ラインの±10%をはっきり超えました。過剰になったSOXLとTECLを売り、その資金で出遅れていたWEBLとAGGを買い戻して、5資産をふたたび20%ずつに整えました。
実は先月、私は5月のリバランス記事で「あと0.6%」と書いていました。SOXLが+9.4%まで膨らんで、発動ラインの10%まであと0.6%——惜しくも届かず、リバランスなしで終わった5月。その記事の最後で、私はこう書きました。「来月の最終金曜、そのときSOXLの+9.4%がさらに膨らんでいるのか、それとも縮んでいるのか。発動するのか、しないのか。今のところ、私にも分かりません」と。
その答えが、出ました。膨らんで、発動。リバランスを実際に行うのは、4月の初回以来、これで2回目です。
6月26日の判定|SOXL+14.1%、ついに発動
まず、判定で見た比率です。先月(5月29日)と今月(6月26日の判定時=リバランス前)を並べると、SOXL(半導体3倍)だけが膨らんでいるのが一目で分かります。
2026/06/26 リバランス実施 / 戦略:5資産均等リバランス(±10%ルール)
前月(2026/05/29)
今月(2026/06/26・判定時=リバランス前)
| 銘柄 | 現在比率 | 目標比率 | 乖離 | 売買判断 |
|---|---|---|---|---|
| WEBL | 13.8% | 20.0% | -6.2% | 買い増し |
| TECL | 23.5% | 20.0% | +3.5% | 売却 |
| SOXL | 34.1% | 20.0% | +14.1% | 売却 |
| AGG | 15.2% | 20.0% | -4.8% | 買い増し |
| USD(現金) | 13.3% | 20.0% | -6.7% | 積み増し |
※金額非公開 / ルール:1銘柄でも±10%以上で全体リバランス(毎月最終金曜)
最大乖離はSOXLの+14.1%。これが判定ラインの±10%を超えたので、ポートフォリオ全体を20%均等に戻すリバランスが発動します。先月「あと0.6%」だったあのSOXLが、1ヶ月でさらに膨らんで、ついに線を越えました。
左右の円グラフを見比べると、SOXLのセグメントだけが、先月から今月にかけてさらにぐっと大きくなっているのが分かります。29.4%→34.1%。半導体がぐんぐん膨らんできた、ということが、円の形にそのまま出ています。
先月「あと0.6%」の答え合わせ
先月の私は、SOXLの+9.4%を前に「惜しい」「いっそ発動してくれた方がスッキリしたのに」と書いていました。届かなかったから動かない——それが5月でした。
そして6月。SOXLは+9.4%から+14.1%へ。発動ラインを4%以上も上回って、今度は明確に「動く」月になりました。
ここで大事にしているのは、先月も今月も、私のやったことは同じだということです。月末最終金曜に、±10%という1本の線で判定する。 線に届かなければ動かない(5月)。線を越えたら全体を20%に戻す(6月)。この±10%ルールのやり方そのものは別の記事に詳しく書きましたが、やっていることは毎月これだけです。私が相場をどう感じているかは、判定に持ち込まない。先月の「惜しい」も、今月の「ついに」も、判定そのものには関係ありません。数字が線を越えたかどうか、それだけです。
ちなみに、リバランスの「日」としては、4月(発動)・5月(なし)・6月(発動)で3回目。実際に売買が起きたのは4月以来2回目です。まだ3回。正直、私もまだ不慣れな部分だらけです。それでも、この単純な線を淡々と守れているのは、自分でも少しだけ褒めたいところです。
何を売って、何を買ったのか|20%に戻す
発動したら、やることは決まっています。過剰な銘柄を売り、その資金で不足している銘柄を買い、全体を20%ずつに戻す。 レバラボは追加のお金を入れない「追加投資なし」が前提なので、買い増しの原資は、過剰な銘柄を売って自分でつくります。
今回の売買と、整えたあとの比率(概算)がこちらです。
| 銘柄 | 判定時の比率 | やったこと | リバランス後(概算) |
|---|---|---|---|
| SOXL | 34.1% | いちばん多く売却 | 約18% |
| TECL | 23.5% | 売却 | 約20% |
| WEBL | 13.8% | 買い増し | 約22% |
| AGG | 15.2% | 買い増し | 約21% |
| USD(現金) | 13.3% | 20%へ戻す | 約20% |
ここで、先月の記事で触れた「次の弾」の話を、少しだけアップデートしておきます。私はUSD現金20%のことを、下落した銘柄を買い戻すための「次の弾」と呼んでいました。先月は、その弾を温存したまま終わりました。
では発動した今月は、弾を撃ったのか——というと、実はそうでもありませんでした。今回WEBLとAGGを買い増した資金は、過剰だったSOXLとTECLを売った代金でほぼ賄えています。だからUSD現金(弾)には、ほとんど手をつけていません。それどころか、SOXL・TECLの利益を現金化した分で、USD現金の比率は13.3%から約20%へと、むしろ回復しています。
つまり今月は、「弾を撃った月」ではなく、走りすぎたSOXL・TECLの含み益を現金に換えて、弾を補充し直した月でした。追加のお金は一切入れずに、過剰な部分を売るだけで、出遅れた銘柄を買い戻し、現金のクッションも回復できる。これが「追加投資なし」でもリバランスが回る、ということの実際の中身です。
この1ヶ月、相場で何が起きたか
ここからは、先月の判定(5月29日)以降のこの1ヶ月、相場で何が起きたのかを振り返ります。今月は、SOXLが突き抜けた背景にも、WEBLが沈んだ背景にも、共通する大きなニュースがありました。アメリカの中央銀行(FRB)のトップが代わったことです。
まず、そのFRBの話から。 前の議長だったパウエル氏の任期が5月で終わり、新しくケビン・ウォーシュ氏が議長に就きました。6月17日には、新体制になって初めての金融政策の会合(FOMC)が開かれました。結果としては、政策金利は3.50〜3.75%で据え置き。これで4会合連続の据え置きです。
ところが、注目されたのはそこではありませんでした。会合の参加者が示す「今後の金利見通し」が、利下げ方向から利上げ方向へ、はっきり転換したのです。3ヶ月前の見通しでは「年内に1回くらい利下げ」だったものが、今回は「年内に1回くらい利上げ」へ。参加者18人のうち9人が年内の利上げを見込む形になりました。市場では、9月に利上げがある確率が一気に5割近くまで跳ね上がっています。背景には、中東情勢に絡んだ原油高でインフレがぶり返すのでは、という警戒があります。
この「利上げに傾いた」という空気が、私のポートフォリオに地味に効きました。一般に、金利が上がる(または上がりそうな)局面では、将来の成長に期待が乗っている株(グロース株)ほど値段が重くなりやすいとされます。WEBL(インターネット3倍)やTECL(テック3倍)のような3倍レバレッジのグロース系は、まさにその影響を受けやすい側です。
半導体は、前半に独り走りしました。 けん引役はメモリ半導体のMicron。発表した四半期決算が過去最高で、売上は市場予想を大きく上回る内容でした。AIのデータセンター向けにメモリが足りない、という需給のひっ迫が背景です。半導体の株価指数は最高値圏まで買われ、その3倍で動くSOXLは、月の半ばにかけて先月よりさらに大きく膨らみました。判定でSOXLが34.1%まで届いたのは、この上昇があったからです。ちなみに、こうしたレバレッジ型ETFにメモリ株の過熱マネーが集まりすぎている、とIMF(国際通貨基金)が警鐘を鳴らした、という報道も今月ありました。3倍ETFを持つ身としては、頭の片隅に置いておきたい指摘です。
ところが、月の後半でその半導体が急落しました。 今月いちばんの「どんでん返し」です。前半あれだけ買われた半導体・テックが、終盤にかけて一転して売られました。理由は重なっています。ひとつは、AI関連企業が借金をしてまで巨額の設備投資を続けていることへの「本当に回収できるのか」という不安。もうひとつは、さきほどのFRBの利上げ観測。さらに、半導体大手のひとつがAI向けチップの先行きに慎重な見方を示したことや、取りざたされていた一部のAI企業の上場が遅れるとの報道も重なりました。主要な半導体株が数日で大きく値を下げ、私のSOXLも、リバランスを約定させた金曜(6月26日)に大きく下落しました(この日の売買のことは、後でもう一度触れます)。
金利そのもの(債券)も動きました。 米国の10年国債の利回りは、月の途中でFOMCのタカ派な見通しを受けて一時4.5%近くまで上がる場面がありましたが、月末(6月26日)は4.39%付近に落ち着きました。先月末が4.44%前後だったので、1ヶ月を通してみればほぼ横ばいです。私のAGG(米国総合債券)の比率が14.8%→15.2%へ少し戻ったのは、AGGが大きく上がったというより、レバ3兄弟の中でTECL・WEBLが下げた分、相対的にAGGの存在感が戻った、という方が正確です。
中東とドル円にも触れておきます。 米国とイランは6月17日に戦闘終結に向けた覚書に署名し、60日間の停戦延長で最終的な合意をめざす段階に入りました。緊張はいったん和らいだものの、この間の原油高がインフレ警戒として残り、先ほどのFRBの利上げ観測につながっています。為替は円安が続き、ドル円は161円台後半。FOMCの利上げ寄りの結果を受けてドルが買われ、162円が意識される水準まで来ています。円安は、ドル建ての資産を持つ私にとっては円換算の評価額を押し上げる方向に働きます。
1ヶ月をひとことでまとめると、「FRBのトップが代わって利上げに傾き、半導体は前半に独り走りしたあと、後半は急落した」。半導体がジェットコースターのように動いた1ヶ月でした。その波に最も振り回されたのがSOXLで、月の半ばに発動ラインを大きく越え、いっぽうWEBLは5資産でいちばん沈みました。
WEBLが一番縮んだ理由|「SpaceXに資金を取られた?」を考えてみた
今月、5資産でいちばん比率を落としたのはWEBL(インターネット3倍)でした。17.9%→13.8%。SOXLが派手だった陰で、静かに沈んでいたのがWEBLです。
これを見たとき、私はひとつの仮説を立てました。「先月上場したSpaceXを買うために、投資家が似たような銘柄を売って資金をつくり、その売りがWEBLのようなネット系に及んだのでは?」というものです。SpaceXは史上最大のIPOで、私自身も抽選で1株だけ記念に持っています。それだけ大きな資金が動くなら、どこかの銘柄が売られて原資になっているはず——と、需給の「付け替え」を疑ったわけです。
考えてみた結論は、「それが主因ではなさそう」でした。理由は2つあります。
ひとつは、そもそもWEBLが連動する「ダウ・ジョーンズ・インターネット指数」に、SpaceXはまだ入っていないこと。SpaceXが今後組み入れられていくのはナスダック100(QQQ)やバンガードの全米株式などで、こちらは7月以降の見込みです。WEBL自体がSpaceXと直接つながっているわけではない、というのは先月のSpaceXの記事で確かめた通りです。
もうひとつは、需給の「付け替え」として見ても、相手が違うこと。WEBLの中身はネット通販やSNS、動画配信といった大手インターネット企業が中心で、宇宙・衛星通信のSpaceXとは業種がかなり離れています。「SpaceXを買うために、まずWEBLの構成銘柄を売る」という直接的な動きは、起きていたとしても限定的だと考えるのが自然です。
ではWEBLが沈んだ本当の理由は何か。説明力が高いのは、別の2つです。ひとつはFRBの利上げ転換。金利が上がりそうな空気は、ネット3倍のような成長株のレバレッジに逆風です。もうひとつは、月の後半にテック株全体が急落したこと。WEBLの中身であるインターネット大手も、この調整で一緒に売られました。「似た銘柄が売られたのでは」という私の最初の直感は、この部分は当たっていたのかもしれません。ただしそれは「SpaceXを買うための売り」というより、AIへの不安や利上げ観測でテック全体が一斉に売られた、という方が実態に近そうです。そこにSOXLの独り走りで相対的に縮んだ分も重なって、WEBLは「いちばん縮んだ側」になりました。
「なんとなくSpaceXのせいかな」で止めず、指数の中身と需給の両面から一度確かめてみる。地味ですが、こういう確認が、来月以降の自分の判断のブレを減らしてくれると思っています。
4月以来の「売り」|SOXLを利確する、という気持ち
最後に、心理の話を少しだけ。
SOXLを売るのは、4月の初回リバランス以来です。しかもSOXL(半導体3倍ETF)は、私のポートフォリオの中でいちばん大きな含み益を抱えてきた銘柄。それを「いちばん多く売る」わけですから、正直、まったく心が動かなかったと言えば嘘になります。「もう少し持っていたら、もっと増えたかもしれない」——その声は、やっぱり聞こえてきます。
でも、ここでも判定はルールがします。SOXLが34.1%まで膨らんだ=ポートフォリオがSOXL頼みになりすぎた、ということです。もしここで半導体が大きく崩れたら、3倍の下落がポートフォリオ全体を引きずります。20%に戻すのは、その一点集中をほどいて、また5資産に散らし直す作業です。気分で「持ち続ける」のではなく、ルールで「戻す」。これがレバラボの軸です。
そして今月は、その「もし半導体が崩れたら」が、よりによってリバランスの当日に起きました。判定をしたのは6月26日の金曜(評価額は前日・木曜25日の終値で計算します)。成行で出した注文が約定したのは、その金曜の夜(日本時間)=アメリカ市場が開いた時間です。そしてまさにその金曜、半導体とテックが大きく急落しました。過剰だったSOXLを減らし、AGGや出遅れ銘柄を増やす——その売買が、急落のさなかに約定したことになります。結果だけ見れば、一点集中をほどいた直後に半導体が崩れたので、守りになった形です。
でも、これは狙ったわけではありません。私は相場のタイミングを計っていません。評価額を見るのは木曜の終値、売買は金曜に成行で出すだけ。もし金曜にSOXLがさらに上げていたら、私はきっと「減らさなきゃよかった」と悔しがっていたはずです。今月はたまたま下げただけ。上げても下げても、ルール通りに売買する——その意味を、図らずも実感する月になりました。
ひとつ、現実的な話も添えておきます。売って利益を確定するということは、その利益に税金がかかるということです。先月のように売買がなければ税金もゼロでしたが、今月は発動したので、SOXL・TECLの売却益に対して課税が発生します(私は特定口座なので、証券会社が自動で計算・徴収してくれます)。正確な税引後の金額は、為替の確定など事務的な都合で少し先になるため、今回は概算という前提です。「利益確定にはコストもついてくる」——これも、動いた月にしか味わえないリアルだと思っています。
先月は「持ち続けて正解に見えた」月でした。今月は一転して「利確した」月です。たった1ヶ月で逆の行動をしているように見えますが、やっていることは終始同じ。線に届かなければ動かない、越えたら戻す。それだけです。
まとめ|「あと0.6%」が、ついに越えた月
・最大乖離はSOXLの+14.1%(34.1%)。±10%を越えてリバランス発動
・先月「あと0.6%」だったSOXLが、ついに線を越えた(4月以来2回目の発動)
・過剰なSOXL・TECLを売り、出遅れていたWEBL・AGGを買い戻して全体を20%へ
・「次の弾」(USD現金)は撃たず、SOXL・TECLの利確で逆に補充(13.3%→約20%)
・相場はFRB議長交代(パウエル→ウォーシュ)と利上げ転換が主役。半導体は前半に独り走り(Micron最高益)→後半は急落というジェットコースター
・約定した金曜に半導体・テックが急落。一点集中をほどいた直後だったが、狙ったのではなくルール通りやっただけ
・WEBLが一番縮んだのは、後半のテック急落+利上げ観測+SOXL一強が重なった結果
半導体が派手に走った月でも、ルールが「戻せ」と言えば戻す。先月「動かない」を地で行き、今月は「動く」を淡々とやった——そんな1ヶ月でした。
数字だけ見れば「SOXLを利確できてよかった」に見えるかもしれません。でも、これがうまくいったのかどうかは、まだ分かりません。来月、SOXLがさらに上がっていれば「売らなければよかった」になるし、崩れていれば「戻しておいてよかった」になる。どちらに転ぶかは、相場のサイクルを何度かまたいで、ようやく見えてくるものだと思っています。
来月以降も、FRBの利上げが本当にあるのか、中東の停戦が保たれるのか、相場の乱高下はまだまだ続きそうです。そのなかで、私はまた来月の最終金曜、同じ線で同じ判定をします。
リバランスの日としてはまだ3回目。不慣れな部分も多いですが、こうして一緒にレバラボの実験を見守っていただけたら嬉しいです。あくまで個人の実験記録なので、生暖かい目で見守っていただけたら幸いです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。


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