WEBL徹底解説|“95%下落”の谷を通った私が、5年付き合って分かったこと

WEBL徹底解説のアイキャッチ。2021年10月の最高値97.86ドルから2022年12月に5.02ドルまで約95%下落し、その後23ドル台まで戻したWEBLの株価の谷を描いた折れ線チャート 銘柄を知る

「WEBL やばい」——WEBLについて調べようとすると、検索候補にこんな言葉が並びます。

実際のところ、やばいのか。先に私の実感を書いておくと、「やばい」は本当です。ただし、それだけでは半分です。

WEBLの株価は、2021年10月の最高値で97.86ドルありました。それが翌2022年の年末には5.02ドル——高値からおよそ95%の下落です。

私はこのWEBLを2021年から持っていて、この谷をまるごと通ってきました。投げ売りはしませんでした。それどころか、谷の底でも毎月のルールに従って買い続け、いまも5資産均等ポートフォリオの1枠として持ち続けています。この6月末のリバランスでも、縮んだWEBLを買い増す側に回ったばかりです。

WEBLの株価やデータそのものは、証券会社や情報サイトで正確に調べられます。この記事で私が足せるのは、95%下落の谷を実際に通ってきた保有者の記録です。WEBLとは何なのか——仕組み・中身・リスク・分配金・NISAの扱い・そして将来性——を、5年分の実体験と一緒に整理します。

WEBLとは?インターネット株指数の「3倍」を“1日だけ”狙うETF

WEBLは、米国の運用会社Direxion(ディレクション)が出している、インターネット株指数の1日の値動きの3倍を目指すレバレッジETFです。連動するのは「ダウ・ジョーンズ・インターネット総合指数(Dow Jones Internet Composite Index)」という、米国の主要なインターネット企業約40社で構成される指数です。

項目 内容
ティッカーWEBL(NYSE Arca上場)
運用会社Direxion(ディレクション)
連動指数ダウ・ジョーンズ・インターネット総合指数(約40銘柄)の日次3倍
設定2019年11月7日
経費率年0.96%(2026年7月時点)
分配金年2回・ごくわずか(直近利回り0.2%弱)

いちばん大事なのは、「3倍」というのが「1日(デイリー)」の値動きに対する3倍だという点です。

  • 指数がその日に1%上がれば、WEBLは約3%上がることを目指す
  • 指数がその日に1%下がれば、WEBLは約3%下がることを目指す

「インターネット株が長期で3倍になる商品」ではありません。あくまで1日単位の増幅装置です。この設計のせいで、乱高下や横ばいの相場では、指数が元の水準に戻ってもWEBLだけ戻らずに削れていく——いわゆる“減価”が起こります。減価の仕組みは、同じDirexionの3倍ETFであるSOXLを解説した記事で、数字の例を使って詳しく書いたので、初めての方はそちらを先に読むと分かりやすいと思います。

WEBL・TECL・SOXLは、いわばDirexionの「3倍シリーズ」の兄弟です。設計はみんな同じで、違うのは中身の指数だけ。SOXLが半導体、TECLがテクノロジー・セレクト・セクター、そしてWEBLがインターネットです。

構成銘柄の中身——Amazon・Google・Metaはいる。AppleとMicrosoftはいない

WEBLが連動するダウ・ジョーンズ・インターネット総合指数は、「売上の半分以上をインターネットから得ている」米国企業、約40社で構成されています。この「売上50%ルール」の詳しい中身と、SpaceXがこの基準に引っかかるかどうかの話は、SpaceX上場のときに検証記事を書いたのでそちらに譲ります。

最新の上位銘柄はこんな顔ぶれです。

指数の主な構成銘柄 比率 どんな会社か
Amazon(アマゾン)約7.5%EC・クラウドの巨人
Alphabet(アルファベット)※約7.8%(2種合算)Googleの親会社
Cisco(シスコ)約6.8%ネットワーク機器の老舗
Meta(メタ)約5.8%Facebook・Instagram
Netflix(ネットフリックス)約4.8%動画配信の王者

※比率は2026年7月上旬時点。Alphabetには議決権の違う2種類の株式(GOOGLとGOOG)があり、指数には別々の銘柄として2つ入っています。構成銘柄リストで「アルファベットが2回出てくる」ように見えるのはこのためで、この表では合算して1行にしました。

このほか、Booking(旅行予約)、Salesforce(業務クラウド)、Datadog(システム監視)など、「インターネットで稼ぐ」企業が並びます。ネットワーク機器のCiscoが上位にいるのは意外かもしれませんが、「ネット企業」のイメージより指数の裾野は広い、ということです。

そして、ここが面白いところなのですが——AppleとMicrosoftは、WEBLには入っていません。 2社とも売上の主軸がインターネット事業ではない(Appleはハードウェア、Microsoftはソフトウェア)ため、「売上50%ルール」の外にいるからです。

正直な話をします。5年前の私は、「テクノロジーの3倍ETF(TECL)はAppleとMicrosoftが中心。だったらWEBLを足せば、GAFAMがほぼ揃うじゃないか」と考えて、WEBLを買い足していきました。この読みは、方向としては合っていました。TECL側にAppleとMicrosoft、WEBL側にGoogle・Amazon・Metaがいて、2本でGAFAMがカバーできる——これは今も概ねそのとおりです。

ただ、当時の私はもうひとつ、「WEBLなら中身を均等に持てる」と思い込んでいました。これは間違いでした。上の表のとおり、実際のウェイトは銘柄ごとに違います(最大のAmazonで7%台)。買った後から仕組みを知る——今思えば危なっかしい話で、こういう「後から分かった」も含めて、このブログには正直に記録しておきます。

「WEBLはやばい」と言われる理由——高値から95%下落した実例がある

WEBLが「やばい」と言われる理由は、シンプルに振れ幅です。そしてそれは、理論の話ではなく実績の話です。市場の記録を並べます。

時期 WEBLの株価(市場データ)
2021年10月(最高値)97.86ドル
2022年12月(最安値)5.02ドル(高値から-95%)
2026年7月(現在)23.56ドル(7月2日終値)

最高値から最安値まで、およそ95%の下落。10万円分なら5千円ほどになる計算です。金利上昇でインターネット株が売られた2022年、その下げを毎日3倍に増幅し続けた結果がこれで、「やばい」と言われるのは盛った話ではありません。

私はこの下落を、チャートの外から眺めていたわけではありません。2021年の高値圏で買い始めてしまい、下がっていく途中も、底値圏でも、当時の自分のルールに従って買い続けていました。含み損が一番深かった時期の口座画面は、正直あまり直視したくなかったのを覚えています。当時ネット上には「レバレッジなんてやめておけ」という声があふれ、大きな含み損を抱えて損切りすべきか悩む人をたくさん見かけました。その悩みの重さは、経験者として本当によく分かります。

もうひとつ大事なのは、いまの株価です。底値をつけた2022年末から3年半あまりたった現在、WEBLは23ドル台。インターネット企業には最高値を更新した会社も多いのに、97.86ドルの最高値には遠く及びません。「指数が戻れば3倍ETFも戻る」とはならない。下落と回復を繰り返すほど、先ほどの“減価”が効いてくるからです。ここまでが、「やばい」の中身です。

それでも私が谷を通り抜けられたのは、「信念」ではなく「仕組み」だった

では、なぜ私は95%下落の谷で投げ売りせずにいられたのか。

かっこいい答えを書きたいところですが、鋼のメンタルがあったわけではありません。あったのはルールです。当時の私は「毎月末に、持っている銘柄のうち時価評価額がいちばん低いものを買う」「評価額がマイナスの時だけ購入する」という自分ルールで機械的に買っていました。底値圏のWEBLを買い続けられたのは、勇気があったからではなく、その月のルールがそう言ったからです。

ただ、当時のやり方には大きな欠陥がありました。「売る」基準がなかったのです。だから2026年4月、私はやり方を変えました。WEBL・TECL・SOXL・AGG(米国総合債券)・USD現金の5資産を各20%の均等にして、月に一度、±10%以上ズレた月だけ元に戻す——±10%ルール付きの月次リバランスです。新しい資金は足さず、膨らんだ資産を売って縮んだ資産を買う。値動きの穏やかなAGGとUSD現金をクッションとして挟むことで、レバレッジ3倍の暴れ馬たちと心を乱さず付き合うための仕組みです(AGGにどんな役割を持たせているかは、AGGの解説記事に書いたとおりです)。

この仕組みの中で、WEBLは直近も現役で動いています。この6月末のリバランスでは、半導体の急騰でSOXLが膨らむ一方、WEBLはポートフォリオの13.8%まで縮んでいました。ルールが「買え」と言うので、私は淡々とWEBLを買い増して20%近辺に戻しました。5年前は「これから伸びる」と信じて買い、いまは「縮んだから」買う。同じ「買う」でも、意味がまったく変わりました。

念のため強調しておくと、これは「レバレッジETFは安値で買い続ければ報われる」という話ではありません。相場が戻らなければ、損失がただ膨らみ続けた可能性も普通にありました。私の実験がいまも続いているのは、インターネット株がある程度持ち直してくれたから——そういう結果論込みの記録として読んでください。

分配金はほぼ期待できない——「配当で持つ銘柄」ではない

WEBLの分配金は、年2回・利回り0.2%弱(2026年7月時点)と、ごくわずかです。

理由はSOXLと同じで、①中身のインターネット企業がそもそも配当より成長投資を優先するタイプ揃いであること、②WEBLはスワップ(金融契約)中心の設計で、株を直接持って配当を受け取る構造ではないこと、の2つです。

つまりWEBLは、値動き(キャピタルゲイン)を取りにいく商品であって、分配金(インカム)を楽しみに持つ商品ではありません。「3倍ETFなのに配当ももらえたらいいな」は、最初から期待しないほうがいい設計です。

WEBLは新NISAでは買えない

意外と知られていませんが、WEBLのようなレバレッジ型ETFは、新NISAの成長投資枠の対象外です(レバレッジ型・インバース型は制度上除外されています)。

つまりWEBLは、NISAの非課税の器には入れられず、特定口座などの課税口座で持つ商品です。売却益にも分配金にも、普通に税金がかかります(このあたりの税金の仕組みは、それだけで記事が1本書ける深さがあるので、ここでは踏み込みません)。

【追記(2026/07)】この税金の仕組み——売却益・分配金の二重課税・外国税額控除——は、米国ETFの税金 完全解剖の記事に一本でまとめました。

「非課税で長期コツコツ」という王道の使い方が制度的にできない——この事実そのものが、WEBLという商品の性格をよく表していると思います。制度を作る側も、「これは長期でじっくり持つ商品ではない」と判定しているわけです。

WEBLの将来性——SpaceXやAI企業は入ってくるのか

「WEBL 将来性」と検索する人は多いようです。ただ、先に白状すると、私は将来性を予想してWEBLを持っているわけではないので、「上がります」とも「下がります」とも書けません。代わりに、判断材料になりそうな事実を3つ並べます。

事実①:指数の中身は入れ替わり続ける。 ダウ・ジョーンズ・インターネット総合指数は「いまインターネットで稼いでいる会社」の定点観測装置です。銘柄は定期的に見直されるので、10年後のWEBLの中身は、今とはかなり違う顔ぶれになっているはずです。WEBLに賭けるというのは、個別の会社ではなく「インターネットという産業がこの先も稼ぎ続けること」に賭けることに近い、と私は理解しています。

事実②:超大型の“新顔候補”が続々と控えている。 2026年6月に史上最大のIPOで上場したSpaceXは、上場からわずか15営業日というスピードで採用が決まり、7月7日にNasdaq-100へ組み入れられます(発表は6月末)。ではWEBLの指数にも入るのか?——鍵は例の「売上50%ルール」です。SpaceXの売上の約6割はStarlink(衛星インターネット)ですが、これを指数の側が「インターネット事業」と判定するかはまだ分かりません。判定の仕組みは上場直後に書いた検証記事のとおりで、入るとしてもまだ先です。

そしてもうひとつ、私が個人的に注目しているのがAI企業の上場ラッシュです。2026年7月時点の報道ベースでは、OpenAIもAnthropicも上場準備(S-1提出)に入ったとされています。考えてみると、この2社の売上は、ChatGPTやClaudeといったほぼすべてがインターネット経由で届くサービスです。ロケットも作るSpaceXと違って、「インターネット企業か?」という判定は、むしろこちらのほうが素直に収まるんじゃないか——と私は見ています。もちろん実際に入るかは、上場が実現した後の、指数会社の判定と取引実績の蓄積しだいです。それでも、「10年後のWEBLの中身はAI企業だらけかもしれない」という未来は、想像として十分ありえると思っています。

事実③:2026年前半、WEBLは“出遅れ組”だった。 この半年の主役はAI・半導体で、SOXLやTECLが派手に動く裏で、WEBLは相対的に地味でした。だから私のポートフォリオでは、6月にWEBLが13.8%まで縮み、リバランスで「買う側」に回ったわけです。出遅れがこの先の伸びしろになるのか、単に置いていかれているだけなのか——それは誰にも分かりません。ただ、5資産均等という仕組みの中では、「出遅れた資産を安いうちに仕込む」形が感情抜きで勝手にできあがります。それが吉と出るかは、この実験の答え待ちです。

私はWEBLをこう位置づけている

5年前の私は、「インターネットはこれからも革命であり続ける」と思ってWEBLを買い始めました。テクノロジー3倍のTECLとの合わせ技でGAFAMを持つ——そんな発想の相棒として、コツコツ買い足してきた銘柄です。95%下落の谷も、底値圏での買い増しも、その後の持ち直しも、全部この銘柄と一緒に通ってきました。

でも、いまの私にとってのWEBLは、思い入れの枠ではありません。5資産のうちの1枠(目標20%)です。膨らめば売るし、縮めば買う。6月は買う番でした。7月末の最終金曜にはまた比率を測って、ルールが言うとおりにするだけです。

「WEBLはやばいのか?」への私の答えをまとめると——やばい(振れ幅は本物)。だからこそ、単体で抱え込まず、仕組みの中の1枠として扱う。これが95%下落の谷を通ってきた私の、現時点の答えです。もちろん、何をどれだけ持つかは一人ひとりの目的とリスク許容度で変わります。私のやり方はお手本ではなく、あくまで一人の実験記録です。

まとめ|3行でWEBL

🦁 WEBLとは(3行まとめ)

米国インターネット株指数(約40銘柄・Amazon/Alphabet/Metaなど)の「1日の値動き」を3倍にするレバレッジETF(運用:Direxion/経費率 年0.96%)
・2021〜22年に高値から約95%下落した実例あり。分配金はごくわずかで、新NISA成長投資枠も対象外——「やばい」の中身は本物
・私はその谷を買いながら通り、いまは5資産の1枠(目標20%)として±10%ルールで淡々と扱っている

「WEBL やばい」と検索したあなたが知りたかったのは、たぶん「持っていて大丈夫なのか」だと思います。私に言えるのは、大丈夫かどうかは銘柄ではなく、持ち方で決まるということまでです。95%下落は、また起こりえます。私はそれが起きても続けられる形——5資産均等と月イチのルール——を作って、この暴れ馬と付き合っています。

7月末の最終金曜も、私はまたWEBLの比率を測ります。SpaceXやAI企業たちが指数に入ってくるのかも、出遅れ組の逆襲があるのかも、続きはこのブログで淡々と記録していきます。

あくまで個人の実験記録なので、生暖かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

⚠️ 投資に関する免責事項

本記事は個人の投資実績・体験を共有するものであり、特定の金融商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。

レバレッジETF(WEBL・TECL・SOXL等)は値動きが大きく、元本割れのリスクが非常に高い金融商品です。長期保有による減価リスクもあります。

投資判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて金融機関や専門家にご相談ください。本記事の情報をもとに損失を被られた場合でも、当ブログは一切の責任を負いません。

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