AGG徹底解説|なぜレバラボは爆発力ゼロの「米国総合債券」を20%も持つのか

AGG徹底解説|なぜレバラボは米国総合債券を20%組み込むのか 投資戦略

レバラボのポートフォリオには、爆発力ゼロの地味な存在がいる——AGG、米国総合債券ETFだ。3倍レバの WEBL・TECL・SOXLが派手に動く中、AGGは静かに鎮座する。「なぜ債券を、しかも20%も?」。今回は、レバラボがAGGを選んだ理由と、実運用で見えた”クッション材”の効きどころ、そして初回リバランスで気づいた新しい役割について記録する。

AGGとは|米国債券マーケット全部入りETF

AGGの正式名称は iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF。世界最大級の運用会社・ブラックロックが2003年から運用している、米国総合債券マーケットに連動するETFです。

連動指数は Bloomberg U.S. Aggregate Bond Index。米国の投資適格債券(信用格付がBBB以上の債券)市場を、ほぼまるごと再現する代表的な指数です。

特筆すべきは、その経費率0.03%。1万円分保有しても年間コストはたったの3円。インデックスETFの中でも最安水準です。米国債券マーケット全体に低コストで分散投資できる、という点でAGGは「債券のS&P500」と呼ばれることもあります。

構成銘柄を分解:米国債・MBS・社債etc

AGGがなぜ「総合」と呼ばれるか。それは構成内容を見れば一目瞭然です。

種類概ねの比率特徴
米国債(Treasury)約45%政府が発行、最も安全とされる
MBS(住宅ローン担保証券)約25%住宅ローンを束ねた証券
投資適格社債約25%アップル・マイクロソフト等の超優良企業の社債
政府関連機関債・ABS・CMBS等約5%その他少量保有

※構成比率は日次で変動します。最新値はBlackRock公式ファクトシートを確認してください。

つまりAGGを1株買うだけで、米国の主要な債券セクターを丸ごと持つことができる。レバレッジETFとは正反対の、「分散・低リスク・低コスト」を地で行く商品です。

なぜレバラボに「債券」が必要か

ここでひとつ、考えてみてほしい話があります。

3倍レバレッジETFの WEBL・TECL・SOXL。それぞれの構成銘柄を見ると、実は重なる銘柄が多い。Apple、Microsoft、NVIDIA、Amazon——テック株のスター銘柄群が、形を変えて3兄弟の中に入っている。

つまり3倍レバ3兄弟は、「同じ方向に動く可能性が高い兄弟」でもあるんです。

テック株が爆上げすれば、3兄弟は揃って爆騰する。逆もまた真で、テック株が崩れれば、3兄弟は揃って沈みます。株100%のポートフォリオには、逃げ場がないのです。

そこに「動かない何か」を混ぜることで、ポートフォリオ全体の振れ幅を抑える——これがクッション材の発想です。

私がこの発想に至ったきっかけは、ある身近な人の話でした。日本の優待株を地道に積み立てている人で、株価が多少上下しても、優待や安定的な値動きを楽しんでいる姿を見ていたんです。同じ時期、私のレバ3兄弟は派手にマイナスを叩き出していて、なんとも対照的な光景でした。

「自分もこういう”地味だけど安定している何か”を、ポートフォリオに混ぜたい」

そんな素朴な動機から、レバラボの5資産均等にAGGとUSDキャッシュが組み込まれたのです。

AGGの値動きが地味な理由

AGGの値動きが地味なのには、明確な理由があります。それは金利との逆相関で動くから。

債券価格は、市場金利と逆方向に動きます:

  • 金利が上がる → 既存の債券の魅力が薄れる → 価格下落
  • 金利が下がる → 既存の債券の魅力が増す → 価格上昇

AGGのデュレーション(金利感応度)は約6年。これは金利が1%動くとAGG価格が約6%動くという意味です。株式に比べると圧倒的に振れ幅が小さい。

実際、過去5年のAGG年間リターンを見てみましょう。

リターン当時の出来事
2020+8.46%コロナショックで避難先として買われる
2021+7.48%低金利継続で安定推移
2022-13.02%インフレ対策の急速な利上げで大幅下落
2023+5.65%利上げ打ち止め観測で反発
2024+1.31%高金利水準で停滞

注目すべきは2022年です。米国の急速な利上げを受けて、AGGは年間で13%超の下落を記録しました。「債券は安全」というイメージが揺らいだ年として、債券投資家には記憶に残る一年です。

それでも、3倍レバETFが同じ年に半分以下まで落ちたことを考えれば、AGGの振れ幅は依然として穏やかです。

「面白くないからこそ役立つ」——これがAGGの本質です。

レバETFと逆相関なのか?(私の懸念)

ここでひとつ、率直な疑問があります。

教科書的には、株式と債券は逆相関で動くとされています。

  • 株式↓ → 投資家は安全資産に逃げる → 債券↑
  • 株式↑ → 投資家はリスクを取る → 債券↓

理屈の上では、株とAGGは逆方向に動くはず。だから、レバ3兄弟が暴落した時にAGGがクッションになる——これが理想のシナリオです。

しかし、現実はそう単純ではありませんでした。

2022年の例を思い出してください。S&P500は年間で約-19%、テック中心のNASDAQ100は約-33%。そして、AGGも-13%株も債券も同時に下落したのです。

原因は「金利急上昇」でした。インフレを抑えるためのFRBの急激な利上げが、株式(成長株は将来の利益を高金利で割り引くため弱い)と債券(デュレーション分の価格下落)を同時に直撃したのです。

私自身、ここに引っかかりがあります。3倍レバ3兄弟は、ファンド内で資金を借りてレバレッジを効かせている認識です。借入金利が上がれば、3兄弟のコストも上がる。一方でAGGも金利上昇で下落する。

AGGが本当に逆相関で動いてくれればいいけど、同じ方向に動くと困るな〜

これは私の偽らざる懸念です。

結論として、AGGとレバETFは”完璧な逆相関”ではない。同時下落する局面は確実に存在します。それでも、平時のボラティリティ(ブレ幅)緩和には十分役立つ——というのが、現時点での私の見立てです。

AGG保有量が増えると”弾薬庫”になる

ここからが初回リバランスを経て、私が新しく感じている話です。

初回リバランス(2026年4月24日)で、AGGの比率は2.3% → 19.7%へと大幅に引き上げられました。過剰になっていたTECL・SOXLを売却し、その資金でAGGを買い増した結果です。

実は、ここに戦略的な意味があります。

これまでのレバラボは、AGGの保有比率が極端に少なかった。だから、レバ3兄弟が暴落してもクッション材として機能しなかったし、何より”買い増しの資金源”を持っていなかったんです。

レバラボの基本ルールに「追加投資なし」があります。新しい資金は入れない。これは家計の事情から生まれたルールでもあるけれど、結果的に「過剰な銘柄を売って、不足している銘柄を買う」というリバランスの仕組みを作りました。

AGGがしっかり増えた今後は、こうなります:

レバ3兄弟が暴落 → ±10%ルール発動 → AGGを売却して3兄弟を買い増し

つまり、AGGがクッション材から”弾薬庫”へ役割を進化させたんです。下落時に売却する弾、すなわち「安く買い戻すための資金源」になる。

正直、今までのレバラボは、3兄弟が暴落しても何もできない歯がゆさがありました。資金不足で、せっかくの買い場をただ眺めているだけ。それが、AGGを20%まで増やしたことで一変します。

次の暴落が来た時、私は今までと違う立ち位置で相場を見ることができる。ワクワクドキドキしています。

※この「±10%ルール発動」の判定式と実際の発注手順は、レバレッジETFのリバランスやり方|±10%ルールで5資産を整える方法で詳しくまとめています。

なぜ「20%」なのか

「クッション材として有効」「弾薬庫として機能」と書いてきました。では、なぜ”20%”という数字なのか

答えはシンプルで、レバラボが採用している5資産均等戦略から自動的に導かれた数字です。

WEBL・TECL・SOXL・AGG・USDキャッシュ。それぞれを20%ずつ持つ。これだけです。

ただ、もし他の比率を採るとどうなるかを考えると、20%の妥当性が見えてきます。

仮想シナリオ想定される問題
AGG 10%(少ない)クッション効果が薄く、暴落時の弾薬も足りない
AGG 20%(現状)クッション・弾薬として最低限機能する
AGG 30%(多い)レバETFの爆発力に蓋をしてしまう
AGG 50%(過剰)もはやレバラボではなく一般的な債券混合PF

もちろん「正解」はありません。投資家の年齢、リスク許容度、目的によって最適は変わります。レバラボは「実験ブログ」なので、5資産均等の20%という、計算しやすくシンプルなルールを採用している、というだけです。

レバラボのAGG実績(2026年4月時点)

最後に、レバラボにおけるAGGの実績を簡単にまとめます。

なお、レバラボのブログ方針として金額・株数は非公開としています。比率(%)のみで記録します。

リバランス前後の比率推移

銘柄初回リバランス前初回リバランス後
AGG2.3%19.7%

コメント

  • 2026年4月時点で、AGG単体の評価損益はマイナス圏に沈んでいる
  • ただし、PF全体の振れ幅は明らかに小さくなっている
  • レバ3兄弟(特にSOXLとTECL)が高値圏で派手に動く中、AGGは静かに地に足を着けている

「単体で見るとマイナス、でもPF全体では仕事をしている」——これがAGGの本当の価値だと、運用してみて初めて実感しました。

まとめ|AGGは「爆発しない」のが最大の役割

AGGは、地味です。一夜で資産が倍になるような夢はありません。

でも、レバ3兄弟が派手に踊る舞台で、AGGは”舞台の床”として機能しています。床がしっかりしているから、3兄弟は安心して踊れる。床が揺れれば、3兄弟も転ぶ。

そして初回リバランスを経て、AGGには新しい役割が生まれました。暴落時の弾薬庫。次の暴落が来た時、レバラボが何を選択するのか、自分自身でも楽しみにしています。

※同じ”守りの20%”であるUSD現金が、SOXL急騰局面で実際に「次の弾」として機能した話はSOXL+28%でも売らない|USD現金20%が「次の弾」になった理由に書きました。

次回は「±10%ルールの完全解説」を予定しています。レバラボ式リバランスのやり方を体系的にまとめつつ、初回リバランスで起きた3つの誤算(AGG買付の失敗・税金の重さ・注文時のトラブル)も実体験で公開します。

あくまで個人の実験記録なので、生暖かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

※本記事のAGG数値データは、iShares公式・BlackRock公開情報・公開金融データソースを参照しています(2026年4月時点)。最新値は各公式サイトでご確認ください。
⚠️ 本記事は個人の投資実績の共有です。レバレッジETFは元本割れリスクが大きい金融商品です。投資判断は自己責任でお願いします。過去の実績は将来の成果を保証しません。

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