8月最終金曜、8月28日。月末のリバランス判定を行いました(評価額は前日・木曜27日の終値ベース)。
結論から書きます。今月はリバランス発動。ただし、線を越えたのは半導体ではありませんでした。目標の20%から最も離れていたのはWEBL(インターネット3倍)で、乖離は+11.1%。比率にして31.1%まで膨らんでいました。
そしてもうひとつ。今回のリバランスで、いちばん大きく買い増したのはSOXLでした。ただしSOXL自身は、今月も±10%の線を越えていません。乖離は-9.7%。先月の-9.1%よりさらに深いのに、やはり届いていない。
SOXLが20%まで戻されたのは、SOXL自身の乖離が理由ではありません。WEBLが線を越えたからです。
8月28日の判定|WEBL+11.1%で発動
まず、判定で見た比率です。左が先月(7月31日)、右が今月(8月28日)の判定時です。
2026/08/28 判定 / 戦略:5資産均等リバランス(±10%ルール)/ 結果:リバランス発動(最大乖離 +11.1%)
前月(2026/07/31)
今月(2026/08/28・判定時=リバランス前)
| 銘柄 | 前月比率 | 今月比率 | 乖離 | 売買判断 |
|---|---|---|---|---|
| WEBL | 27.1% | 31.1% | +11.1% | 売却 |
| TECL | 19.5% | 20.8% | +0.8% | 売却 |
| SOXL | 10.9% | 10.3% | -9.7% | 買い増し |
| AGG | 23.4% | 20.8% | +0.8% | 売却 |
| USD(現金) | 19.1% | 16.9% | -3.1% | 積み増し |
※円グラフ・比率は売買前(判定時)の状態 / 金額非公開 / ルール:1銘柄でも±10%以上で全体リバランス(毎月最終金曜)
最大乖離はWEBLの+11.1%。これが判定ラインの±10%を超えたので、ポートフォリオ全体を20%均等に戻すリバランスが発動しました。4月・6月に続く、3回目のリバランスです。
円グラフを見比べると、先月からの変化がはっきり出ています。WEBL(濃い茶色)が27.1%→31.1%へさらに膨張。かわりにAGG(ティール)が23.4%→20.8%、USD現金(グレー)が19.1%→16.9%へと相対的に痩せました。
ひとつ、正確に書いておきたいことがあります。SOXLの比率は10.9%→10.3%へさらに下がりましたが、これはSOXL自体が値下がりしたからではありません。 今月のSOXLは、価格ベースでは上げています。ただ、その上げ幅よりもWEBLやTECLの上げ方がずっと大きかったので、同じ100%の円の中で相対的に薄まった——というのが正確なところです。
先月「あと0.9%」の答え合わせ
先月の記事で、私はこう書きました。
SOXLが暴落して乖離-9.1%まで沈んだけれど、発動ラインの-10%には届かなかった。だから何もしなかった。そして、こう続けました——「もしSOXLの下落がもう0.9%深ければ、来月を待たずに発動し、安くなったSOXLを(過剰になったWEBLなどを売って)買い戻していたはずです」と。
1ヶ月後、ほぼその通りのことが起きました。過剰になったWEBLを売って、安くなったSOXLを買い戻した。 ただし、そこに至る道筋は私の想像とは違いました。
今月のSOXLの乖離は-9.7%。先月の-9.1%より、さらに線に近づいています。それでも、SOXL単独では今月も線を越えていません。もし判定が「SOXLが-10%に届いたかどうか」だけだったら、今月も何も動かずに終わっていたはずです。
でも、レバラボのルールはこうなっています。5銘柄のうち1つでも±10%を越えたら、全体をリバランスする。 今月はWEBLが+11.1%で越えました。だから全体が動き、その一環としてSOXLも20%まで買い戻された。
つまり——SOXLを20%に戻したのは、SOXL自身の乖離ではなく、WEBLの乖離だったということです。
ルールを作ったときは、ここまで具体的に想像していませんでした。「1銘柄でも越えたら全体を戻す」という一行が、2ヶ月動かなかった銘柄まで動かす。ルールというのは、こういう働き方をするのかと、少し驚いています。
何を売って、何を買ったのか|20%に戻す
発動したら、やることはいつもと同じです。過剰な銘柄を売り、その資金で不足している銘柄を買い、全体を20%ずつに戻す。 追加のお金は入れません。
| 銘柄 | 判定時の比率 | やったこと | リバランス後(概算) |
|---|---|---|---|
| WEBL | 31.1% | いちばん多く売却 | 約21% |
| TECL | 20.8% | 少し売却 | 約19% |
| SOXL | 10.3% | 買い増し | 約19% |
| AGG | 20.8% | 少し売却 | 約20% |
| USD(現金) | 16.9% | 20%へ積み増し | 約21% |
今回いちばん多く売ったのがWEBL、いちばん多く買い増したのがSOXL(半導体3倍ETF)です。TECLとAGGも20%をわずかに超えていたので、少しずつ売りました。売った代金でSOXLを買い、余った分をUSD現金として20%まで積み直しています。
6月のリバランスでは、私はSOXLを「いちばん多く売る」側でした。あのときSOXLは34.1%まで膨らんでいて、それを18.5%まで減らしました。そして今月、同じSOXLを「いちばん多く買う」側で戻しています。
高いときに減らして、安いときに増やす。 言葉にすると当たり前すぎるのですが、これを自分の判断ではなく、日付と数字だけで機械的にやった——という点が、自分でも少し不思議な感じがします。狙ったわけではなく、ルールに従ったらそうなった、というだけなので。
この1ヶ月、相場で何が起きたか
ここからは、先月の判定(7月31日)以降の1ヶ月を振り返ります。今月は「半導体が休み、インターネットとテックが走った月」でした。
まず、WEBLが膨らんだ背景から。 7月に半導体が暴落したあと、市場の資金は半導体の外へ向かいました。8月下旬にはビットコインが週間で+22%と大きく上げ、暗号資産に関わる金融サービス企業の株価も軒並み上昇。半導体から流れ出た資金が、インターネット関連や金融に向かう「ローテーション」が起きた形です。WEBLが連動するインターネット企業の指数は、この流れをまともに受けました。
一方、半導体は戻り切れませんでした。 8月4日にSOXLが1日で+19.87%という急騰を見せる場面もありましたが、その勢いは続きませんでした。背景には、メモリ不足が実体経済に効き始めたことがあります。メモリを作る会社が、より利益率の高いデータセンター向けに生産を振り向けた結果、スマートフォン向けのメモリが足りなくなり、2026年のスマホ市場は過去最大の前年割れになる見込みと報じられました。月の後半には記憶装置メーカーの株価が大きく下げる日もありました。
そして、判定日と同じ8月28日に大きなイベントがありました。 ジャクソンホール会議です。年に一度、世界の中央銀行関係者が集まる場で、ウォーシュ議長にとっては就任後初めての講演でした。
議長は「経済の強さには感心している」としながらも、「インフレの基調的な傾向が改善したとは言えない」と述べ、物価が2%に向かっていると確信できないなら「やるべき仕事がある」と表現しました。はっきり「利上げします」とは言わなかったものの、市場はこれを利上げ寄りと受け取り、9月の利上げ確率は講演前の約40%から55%へと跳ね上がりました。ちなみに8月19日に公表された7月会合の議事要旨でも、多くの参加者が利上げの必要性に言及していたことが分かっています。
債券まわりでは、興味深い動きもありました。 米国の財務省が、期間の長い国債を買い入れる規模を9月9日から倍増すると発表し、長期金利が急低下する場面がありました。金利を上げたい中央銀行と、長期金利を抑えたい財務省。方向の違う力が同時に働いていて、私のAGG(米国総合債券)にとっては読みにくい状況が続いています。
最後に、先月の宿題の答え合わせです。 先月の記事で、私は7月31日の円急伸について「市場では為替介入の観測が広がりました(執筆時点で、政府・日銀からの正式な発表は確認していません)」と書きました。
その答えが出ました。8月3日、財務大臣が談話を発表し、「米東部時間7月31日、米国財務省と協調して円買い介入を実施した」と正式に認めています。 観測ではなく、日米が足並みをそろえた協調介入でした。
介入の直後、ドル円は一時155円台まで円高に振れました。ところが——判定日と同じ8月28日、ドル円は160円台を回復しています。さきほどのジャクソンホールでの発言を受けて米国の金利が上がり、ドルが買われたためです。報道によれば、7月末の介入で下げてから初めての160円台回復でした。日米が足並みをそろえてまで止めた円安の水準に、1ヶ月で戻ってきたことになります。
書いた時点では「観測」としか書けなかったことが、1ヶ月後に事実として確定し、さらにその効果の行方まで見えてくる。月次で記録を残していると、こういう答え合わせが自然にできるのだなと実感しました。
「下がっているものを買う」のは、やっぱり怖い
最後に、今回いちばん書いておきたかったことを書きます。
今月やったことを、ルールを外して素直に言い直すと、こうなります。まだ安値圏から戻り切っていないSOXLを買い、これから上がるかもしれないWEBLを売った。
正直に書きます。これは、気持ちのいい行動ではありません。
SOXLは6月からの下落で大きく水準を下げたまま、まだはっきりとした回復には至っていません。「まだ下がるかもしれない」と思いながら買うわけです。一方のWEBLは、今まさに勢いがある銘柄です。「ここから伸びるかもしれない」と思いながら売るわけです。直感とは、真逆のことをしています。
それでもそうするのは、ルールがそう言っているからです。膨らみすぎたものは戻す。痩せすぎたものは戻す。私が相場をどう感じているかは、判定に持ち込まない——毎月書いていることですが、今月はそれをいちばん強く意識しました。
もうひとつ、地味に気になっていることがあります。売買の手数料です。 動けばコストがかかります。先月のように売買ゼロの月はコストもゼロでしたが、今月は5銘柄すべてに手を入れました。この積み重ねが、長い目で見てどう効いてくるのか。まだ3回目なので、正直わかりません。
わからないなりに、楽しみでもあります。今月の売り買いが、来月・再来月にどんな結果として返ってくるのか。それを確かめるために、この実験を続けているようなところがあります。
まとめ|1銘柄が越えると、5資産すべてが動く
・最大乖離はWEBLの+11.1%(31.1%)。±10%を越えてリバランス発動(4月・6月に続く3回目)
・**SOXL自身は今月も線を越えていない**(-9.7%・先月の-9.1%より深い)。それでも20%まで買い戻された
・SOXLの乖離は-9.7%と先月より深いが、今月もSOXL単独では線を越えていない。越えたのはWEBL
・「1銘柄でも越えたら全体をリバランス」という設計が、2ヶ月動かなかったSOXLまで動かした
・SOXLの比率低下はSOXLの下落ではなく、WEBL・TECLがそれ以上に上げた相対効果
・相場は半導体が戻り切らず、インターネット・金融へ資金がローテーション
・判定日と同じ8月28日、ジャクソンホールでウォーシュ議長がインフレ警戒を表明。9月利上げ確率は約40%→55%へ
・先月の「介入観測」は、8月3日の大臣談話で日米協調介入だったと正式に確定
先月は、どの銘柄も線に届かず、何も動かない月でした。今月は、WEBLが越えたことで5資産すべてが動いた月になりました。同じルールを淡々と回しているだけなのに、月ごとにまったく違う顔を見せてきます。
来月も、気になることがいくつかあります。9月4日には、SOXLが連動する半導体指数の銘柄入れ替えが発表されます。 以前の記事で「年に1回、9月にだけ入れ替わる」と調べたあの日です。SKハイニクスが入るのかどうか、答え合わせをするつもりです。さらに9月のFOMCで本当に利上げがあるのか、11月の中間選挙に向けて相場がどう動くのか、そしてAnthropic(アンソロピック)の大型上場がいつになるのか——見どころは尽きません。
そして来月の最終金曜、また同じ線で同じ判定をします。今月20%に戻したばかりなので発動しない可能性の方が高いですが、こればかりは相場次第です。どちらに転ぶかは、いつも通り、私にも分かりません。
あくまで個人の実験記録なので、生暖かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。


コメント