リバランス発動まであと0.6%|SOXL+9.4%の5月

リバランス発動まであと0.6%、SOXL+9.4%でも動かなかった5月を示すレバラボのアイキャッチ。発動ライン10%へのドーナツゲージ リバランス記録

5月最終金曜、5月29日。月末のリバランス判定を行いました。

結論から書きます。今月はリバランスなし。5資産のうち、目標の20%から最も離れていたのはSOXL(半導体3倍)で+9.4%。発動ラインの±10%まで、あと0.6%。

惜しい、というか、笑ってしまうくらいギリギリでした。

実は先月、USD現金について書いた前回の記事の最後で、私はこう予想していました。「次のリバランス、案外発動しないかも?」と。半導体やテックがあれだけ走っても、目標20%との乖離が10%以内に収まるかもしれない——その予想が、あと0.6%という際どさで当たった月になりました。

今回はその判定の中身と、「惜しくても動かない」という当たり前のことを、なぜ当たり前にやるのかを記録しておきます。

5月29日の判定結果|リバランスなし

まず、5月29日(金)の判定で見たときの比率です。評価額は前日・木曜(5月28日)の終値ベースで計算しています。

2026/05/29 木曜終値時点 / 戦略:5資産均等リバランス(±10%ルール)

📌 今月はリバランスなし(最大乖離 9.4% / 発動ライン 10%)

先月リバランス直後(2026/04/24)

WEBL20.2%TECL21.4%SOXL22.3%AGG19.7%USD(現金)16.4%
WEBL:20.2%
TECL:21.4%
SOXL:22.3%
AGG:19.7%
USD(現金):16.4%

今月(2026/05/29・木曜終値)

WEBL17.9%TECL25%SOXL29.4%AGG14.8%USD(現金)12.9%
WEBL:17.9%
TECL:25%
SOXL:29.4%
AGG:14.8%
USD(現金):12.9%
銘柄現在比率目標比率乖離発動まで
WEBL17.9%20.0%-2.1%あと7.9%
TECL25%20.0%+5%あと5%
SOXL29.4%20.0%+9.4%あと0.6%
AGG14.8%20.0%-5.2%あと4.8%
USD(現金)12.9%20.0%-7.1%あと2.9%

※金額非公開 / ルール:1銘柄でも±10%以上で全体リバランス(毎月最終金曜)

最大乖離はSOXLの+9.4%。これが判定ラインの±10%に達していれば、ポートフォリオ全体を20%均等に戻すリバランスが発動します。でも9.4%は10%に届かなかった。だから5銘柄すべての判断は「—(売買なし)」。今月は1株も売らず、1株も買いませんでした。

先月リバランス直後(4月24日)と比べると、円グラフの形が一目で変わっています。SOXLは22.3%→29.4%へと膨らみ、USD現金は16.4%→12.9%、AGGは19.7%→14.8%へと相対的に痩せました。半導体3倍が走った分、ポートフォリオの中でSOXLの存在感だけがぐっと大きくなった——それが今月の見た目です。

「あと0.6%」の生々しさ

正直に書きます。SOXLが発動ラインまで0.6%に迫っているのを見たときは、ちょっとビビりました。

あと少しSOXLが上に行っていたら、過剰になったSOXLを売って、不足しているUSD現金・AGG・WEBLを買い戻す——そういう売買が発生していたはずです。逆に言えば、0.6%足りなかっただけで、今月は何も起きずに終わった。

こういう「際どい月」こそ、心がざわつきます。「もう少しだったのに」「いっそ発動してくれた方がスッキリしたのに」と。でも、ここで大事なのは、私の気分は判定に一切関係ないということです。±10%に届いたか、届かなかったか。判定はそれだけ。9.4%は9.4%であって、「惜しいから今回は特別に」は存在しません。

この淡々とした感じが、月次ルールのいいところでもあり、ちょっと寂しいところでもあります。

先月からの1ヶ月、相場で何が起きたか

ここからは、4月24日のリバランス以降、この1ヶ月で相場に何が起きたのかを少し丁寧に振り返ります。SOXLが+9.4%まで伸びた背景には、わかりやすいドラマがありました。

まず、NVIDIAの決算(5月20日)です。 売上は約816億ドルで市場予想の約789億ドルを上回り、EPSは前年同期比+120%という、文句なしの好決算でした。ところが、株価は決算後に下落。「事実で売られる(buy the rumor, sell the news)」の典型で、好決算が出る前にすでに買われていた分、出尽くしで利益確定売りに押された格好です。NVIDIAが好決算で下げるのは、これで4四半期連続でした。

ところが、半導体全体はむしろ上昇しました。 ここが今月いちばん面白かったところです。けん引役はNVIDIAではなく、メモリ半導体のMicron。株価が約+19%上昇し、時価総額は1兆ドルを突破しました。Qualcommなどの通信半導体も急騰し、半導体ETF(SOXX。私が持つSOXLが3倍で連動している、半導体株の代表的なETFです)は最高値を更新。つまり、NVIDIA一強の上昇ではなく、半導体セクター全体に物色が広がる「ローテーション」型の上げだったわけです。

この構図が、私のポートフォリオにそのまま出ました。SOXL(半導体3倍)は+9.4%まで伸びた一方、TECL(テック3倍)は+5.0%にとどまっています。半導体指数に連動するSOXLはメモリ・通信半導体の急騰をフルに受け、メガキャップ(NVIDIAなどの巨大ハイテク)の比率が高いTECLは、そのNVIDIAの決算後の下落に相対的に上値を抑えられた——同じ「3倍テック」でも、中身の違いがくっきり出た1ヶ月でした。

株価指数も最高値を更新しています。 5月26日にはS&P500が7,519、Nasdaqが26,656でいずれも最高値で引けました。背景には、中東情勢の和らぎがあります。米国とイランは4月8日にいったん停戦し、5月28日には停戦を60日間延長する覚書(ホルムズ海峡の再開などを含む)で暫定合意——ただし5月28日時点では、トランプ大統領の最終承認を待つ段階でした。和平への期待が原油高・インフレ再燃の警戒を和らげ、リスク資産の追い風になりました。

そして金利です。 米10年債利回りは5月20日に一時4.7%と約16ヶ月ぶりの高水準をつけたあと、5月29日には4.44%付近まで低下しました(直近2週間あまりで最も低い水準)。これも米イランの和平期待でインフレ懸念が後退したことが背景です。金利が下がると債券価格は上がりやすくなるので、本来ならAGG(米国総合債券)には追い風。それでもポートフォリオ内のAGG比率が19.7%→14.8%へと下がったのは、AGG自体が大きく下げたからではなく、レバ3兄弟(とくにSOXL)が走りすぎて相対的に薄まったから、というのが正確なところです。

1ヶ月をひとことでまとめると、「半導体がけん引役を替えながら上げ続け、金利は中東和平で落ち着いた月」。その結果、SOXLだけが発動ラインの一歩手前まで膨らんだ——そういう月でした。

なぜ「あと0.6%」でも動かないのか

ここで、当たり前のことをあえて書いておきます。9.4%は惜しい。でも、惜しいからといって動かしません。

±10%ルールは「リバランスを発動するかどうかの判定ライン」であって、私の裁量で動かす数字ではありません。9.4%なら据え置き、10%に達していれば発動です。この「±10%以上で発動」という1本の線がきっちり引いてあるからこそ、ルールとして機能します。「今回は9.4%だけど近いから一応整えておくか」を一度でも許すと、それはもうルールではなく、ただの気分の売買になってしまいます。

これは、月の途中で相場がどれだけ動いても判定をしない、という月次サイクルの考え方とまったく同じです。判定する日は月末最終金曜だけ。判定する基準は±10%だけ。日付と数字、その2つにだけ従う。私が相場をどう感じているかは、判定に持ち込まない——これがレバラボの軸です。±10%ルールそのものの作り方は、リバランスのやり方を解説した記事に詳しく書きました。

おまけのような話ですが、売買なしの月は、取引コストも譲渡益にかかる税金もゼロです。無理に整えないことが、地味にコスト面でもプラスに働く。これも「動かない」ことの、ささやかな利点だと思っています。

「次の弾」は、まだ撃たなかった

先月の記事で、私はUSD現金20%のことを「次の弾」と表現しました。下落した銘柄を月末リバランスで買い戻すための、価格変動ゼロの確実な原資という意味です。

今月、USD現金の比率は12.9%まで下がりました。これも株が走って相対的に薄まった結果です。では「弾」を撃ったのかというと——撃っていません。弾を撃つ場面、つまり不足した銘柄をUSD現金で買い増す月末リバランスが、今回は発動しなかったからです。

もしSOXLがあと0.6%上に行って発動していたら、過剰なSOXL・TECLを売って、その資金で不足しているUSD現金・AGG・WEBLを補充し、全体を20%均等に戻していました。追加の入金はしません。過剰な銘柄を売って、不足を埋める。その原資の一部がUSD現金です。

つまり今月は、「次の弾」を温存したまま終わった月でもあります。撃つべき引き金(発動)が、あと0.6%のところで引かれなかった。弾はまだ手元にある。AGGの役割を含めたこの考え方は、AGGを徹底解説した記事にもまとめています。

まとめ|惜しくても、動かない月だった

🦁 5月の判定まとめ

・最大乖離はSOXLの+9.4%、発動ラインの±10%まであと0.6%
・判定の結果はリバランスなし(5銘柄すべて売買なし)
・先月の「次のリバランス、案外発動しないかも?」という予想が、際どく的中
・NVIDIAは好決算でも下落、けん引役はMicronなどメモリ半導体。SOXLが伸び、TECLは相対的に抑えられた
・金利は中東和平期待で低下(10年債4.7%→4.44%)。AGG比率の低下は下落ではなく相対的な薄まり
・「次の弾」(USD現金)は、撃たずに温存

レバ3兄弟が派手に走った月でも、ルールが「動くな」と言えば動かない。今月はそれを地で行く、静かな1ヶ月でした。

数字だけ見れば「SOXLを持ち続けて正解」に見えるかもしれません。でも、含み益はまだ確定していない利益です。来月、再来月、相場がどう動くかは誰にも分かりません。だからこそ私は、自分の気分ではなく、日付と±10%という2つの数字に判定を委ねています。うまくいくのか、それとも失敗に終わるのか——それは1ヶ月や2ヶ月では分かりません。相場のサイクルを何度かまたいで、ようやく見えてくるものだと思っています。

来月は、史上最大級と報じられるSpaceXの新規上場(6月中旬に予定との報道)など、相場のムードを左右しそうなイベントも控えています。それがレバ3兄弟にどう効くのか、効かないのか。そして来月の最終金曜、また同じ判定をします。そのときSOXLの+9.4%がさらに膨らんでいるのか、それとも縮んでいるのか。発動するのか、しないのか。今のところ、私にも分かりません。

あくまで個人の実験記録なので、生暖かい目で見守っていただけたら嬉しいです。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

⚠️ 本記事は個人の投資実績の共有です。レバレッジETFは元本割れリスクが大きい金融商品です。投資判断は自己責任でお願いします。過去の実績は将来の成果を保証しません。

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